●「昭和の犬」
幻冬舎
柏木イク 昭和34年生まれ。嬰児のころより、いろいろな人に預けられていたイクが、両親とはじめて同居をしたのは、風呂も便所も蛇口もない家だった。 理不尽なことで割れたように怒鳴り散らす父親、娘が犬に咬まれたことを見て奇妙に笑う母親。それでもイクは、淡々と、生きてゆく。やがて大学進学のため上京し、よその家の貸間に住むようになったイクは、たくさんの家族の事情を、目の当たりにしていく。そして平成19年。49歳、親の介護に東京と滋賀を行ったり来たりするなかで、イクが、しみじみと感じる喜びとは。第150回直木賞受賞作。
(●は文庫化済み、○は単行本、ただし2018年10月現在)

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